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こんなに近く [実話]
 mono  - 13/4/2(火) 15:10 -
自分の気持ちを整理するのに、文章を描くなんてざらなことだ。
何もそれは詩的でもなければ、文学的でもない。
でもきっと、それは誰しもが共感し、誰しもが想うことなのかもしれない。

ことの始まりは、受験戦争が終わった、あの4月の日のことでした。


その日は雨で、東京の高くて低い空には、ずんとした灰色の雲が覆っていて、
いよいよ始まった大学生活に弾む心とは、どこか不釣り合いだったのを覚えています。


運動会のとある部。そこの新歓は豪華だってことで、有名でした。
それを目当てに、運動部などなんの興味もなかった僕と、友人数人でその新歓に赴きました。

埼京線のとある駅、集合した僕達は、いかつい先輩達に連れられて練習場へ連れて行かれます。
内心、ちょっとどきどきしていたのかもしれません(笑) なんてったって、いい体したイケメンな先輩がごろごろしてるんだから。

体験練習の後、お食事会。そんなお決まりのパターンでしたが、どこか浮ついた新入生の僕達の心には全てが新鮮で、全てが魅力的に見えました。


練習のための着替え、押込められたトレーニングルームで、

僕は彼を見つけました。


「あの人いかつくね?」
「うん。でもほら、ジャージに高校の名前書いてある。」
「うわ、名門じゃん。やば」
僕が彼をみていたからか、友人も彼に気がついた様子で、僕に話しかけてきました。
「野球部かな?」
「まーその辺じゃん?くそマッチョだし」
彼は坊主頭にマッチョ、という圧倒的な存在感と風貌で、ストレッチをしていました。
向こうも友人と一緒のようで、時折みせる子供染みた笑顔が、どこか不釣り合いで、どこか魅力的でした。


引用なし

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