親の工場が多額の借金を抱えてしまい、倒産も破産もできない事情があり、僕は16歳の時に両親に頼まれてある資産家の家に預けられた。
その家に僕がいる限り、借金は猶予され、且つ融資もして貰える…という事らしい。
身売りをされた感があったが、その家から高校には通わせて貰えたし、裕福な生活を満喫させて貰えた。
そう…夜の営み以外は…
この夫婦は夜の生活は激しい方で、一晩中盛んな事も多い。子供も欲しい様だが未だ出来ず。
調べた結果、旦那様の無精子による不妊だそうだ。
高校生の俺にも不妊の意味くらいわかる。
この2人の間には子供が出来ない…という事だ。
しかし、この夫婦は変なこだわりがあり、自分達の営みの中で子作りをしたい。不妊治療での精子提供はしないが他人の精子を供託することは構わない。
結果、夫婦の間に若い元気な精子を作り出せる第三者を挟んで営む事を望み、執事の人脈の中で我が家、そして僕が選ばれたのだった。